日本ペット栄養学会の報告で気になった論文がありましたので紹介させて頂きます。
犬にも「てんかん」という病気があります。
これは、脳の神経が一時的に異常な電気信号を出してしまい、けいれんなどの発作をくり返す病気です。
中でも「特発性てんかん」というタイプは、脳にケガや腫瘍などの異常がないのに発作が起きるもので、原因がはっきりしていません。犬全体の約1%に見られるといわれています。
てんかんの治療では薬を使うのが基本ですが、どんな薬を使っても発作を抑えられない「難治性てんかん」の犬もいます。そこで、薬以外の助けになる方法として、DHA(ドコサヘキサエン酸)という栄養素に注目した研究が行われました。今回はDHAに着目したお話になりますが、他にも
中鎖脂肪酸、αリノレン酸、EPA、カンナビジオール(CBD)、ビタミンB群、GABA、トリプトファンのどのアミノ酸群が有効だと報告されています。
DHAは魚の油などに多く含まれる脂肪酸で、脳のはたらきを助けることで知られています。
東京大学の研究チームは、てんかんの犬にDHAを多めに与えたところ、6頭中5頭で発作が減るという結果が得られました。血液検査などでも大きな副作用は見られませんでした。
どうしてDHAが発作を減らすのかは、まだはっきりしていませんが、
☆神経を守る物質の働きを強める
☆脳の炎症をおさえる
☆神経細胞の膜をやわらかくして動きをよくする
などの理由が考えられています。
今後の研究で、犬だけでなく人間のてんかん治療にもつながる可能性があると考えられています。



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