トリミングの世界では、10年前の常識が、今では非常識になっていることも少なくありません。
それは流行の変化ではなく、犬たちの体や心をより大切にしようという考え方が広がってきたからです。
たとえば、耳毛の処理。
少し前までは
「耳毛はすべて抜いてツルツルにするのが当たり前」
赤くなっても、とにかく全部抜くのが良いとされていました。
しかし今では、
通気性を良くするためにカットする方法が主流です。
なぜなら、耳毛を無理に抜くことで
皮膚が炎症を起こし、かえってお耳のトラブルにつながることが分かってきたからです。
次に、足裏の毛のカット。
10年前はバリカンでツルツルにするのが一般的でしたが、
現在はあえて少し毛を残す傾向にあります。
その理由はとてもシンプル。
お散歩中に
・針葉樹の葉
・小さな石
・ガラスの破片など
尖ったものを踏んでしまった時、
毛がクッションとなり、皮膚に直接刺さるのを防いでくれるからです。
このように、トリミングの考え方は
「見た目重視」から
「犬にとってやさしいケア」へと、確実に変わってきています。
日本では「動物愛護」という言葉がよく使われますが、
諸外国では「動物福祉(アニマルウェルフェア)」という考え方が主流です。
どちらも大切ですが、
動物を思いやる心は、日本人が昔から大切にしてきたものでもあります。
犬たちに寄り添い、
無理をさせず、健やかに過ごしてもらうために。
トリミングの世界も、これからさらに
やさしい方向へ進んでいくのだと思います。
そんな変化を感じながら、
改めて日本だけが愛護という言葉を使っているので
やっぱり日本に生まれて良かったと思いました。



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